団倉庫かたづけ 1回目

スカウト活動に役立つグッズはいろいろあって、大きなものはカトリック成城教会内に設けた団倉庫に保管してあります。IMG_7721
テントや自立式タープ、団行事で使う大きな鍋類、食器、ランタンなどなど、先輩から受け継がれたものや隊費を貯めてようやく購入したものが、その時々の片づけ上手の指導者の手で整然とおさめられるのですが、どうしても出し入れが重なると必要なものが奥深くに入り込んでしまったり、誰かの忘れたキャンプ椅子がいつまでも置き去りにされて雑然としてしまいます。
一度全部を出して、本当に必要なものはどれか、たりない部品はないかをチェックしたいと誰もが思っているのですが、なかなか重い腰が上がらない。

今月の団会議。
「物には心も宿っているんだよ。捨てるのは簡単だけど、感謝の気持ちをもって処分できるリーダーでいてほしい。ぼくはもう年を取っていて力はないけれど、物品管理ならできるから、みんなと一緒に片づけたい」と声を上げたのは、14団でずっと活動を続けている上田副団委員長です。
おお!好機到来!
その熱い言葉に大いに感激した若いリーダーたちが、さっそく19日10時から団倉庫の備品点検を決定!

6人のリーダーが倉庫と中庭を何度も往復し、重いものは2人がかりで外に運び出し、一つ一つの備品を広げてみては確認していきます。
「これはもう廃棄するしかないですね。」
「おお、ここにあったのか!懐かしいなあ。え?捨てちゃうの?」
「上田さん、気持ちはわかるけど!」
「そ、そうだな。その通りだ。よし、廃棄だな。」
などとしゃがみ込んで相談しながら、必要なもの、修理するべきもの、誰かが引き取るもの、廃棄するものの山ができていきます。

IMG_7725ボーイ隊スカウト6名も参加しました。
もちろん重たいものや古めかしい物を運び出す手伝いをするものの、曲がったペグを見つけるとどうしても振り回してみたくなる。長い棒が出てくると打ち合いをして遊びたくなる。小学生と中学生の男の子ですからね、予想通りの行動です。
もちろん隊長に叱られますとも。
でも、3歩歩くとそんなことは忘れてまた遊んじゃう。で、今度はベンチャー隊の隊長にも叱られたりね。
顔なじみのリーダー以外の大人から真剣に諭されるなど現代では得難い経験なので、大いに結構。
「ちゃんとできる」ことはもちろん素晴らしいのだけど、今この場でなにを求められ、自分はどう行動したらいいのか?を体験しながら学び取る絶好のチャンスです。リーダーの方も心得ていて雷を落とした後はどこかで挽回のチャンスを作ったり、いいところでほめてモチベーションアップも心がけていきます。

 

IMG_7719足首を骨折したのにやってきたスカウトもいました。
「おーい、こっちにライトを当ててくれ」
「こちら側を手で支えてくれ」
の要望に応えることで大いに役に立ち、班長はカモシカ班もシェパード班両方を束ね、ついつい横道に外れそうな後輩の軌道修正をしながら作業を続けます。
また、その輪から少し離れたところで信者のみなさんには倉庫周りとは言えごちゃごちゃ汚れているものも並べて迷惑をかけてしまい申し訳ないと頭を下げているリーダーもいます。つい見逃してしまいがちなことだけど、お互いに気持ちよくいられるよう気を配るのは人としてのマナーだと行動で示してもらえることもありがたい。後輩リーダーたちも、気がつかないうちに同じようにふるまうことを身につけるでしょう。

同じ世代の仲間と過ごす時には味わえない、あらゆる年代の人たちの言葉や行動から得られるものは大きい。
それは直接受け取るものもあればそのやり取りを見聞きして考えることもあって、人の輪に入っていてこそ知りえる、その時受けた印象、気持ちすべてが心の糧になっていくのだと思います。
ボーイスカウトの活動は単なるスキルアップ、自分の力を高めるものではなく、人とのつながりの中で育まれる心の豊かさが大いに魅力なのです。
昼食の時も、片づけを終えてロビーでのんびり話をするときも、無駄な時間など一瞬もありません。

とはいっても、片づけの体験をしたからといって、すべての人が片づけの達人になるわけではないのが残念なところ。
今回参加したリーダーとスカウトの家族のほとんどが「あー!団倉庫をきれいにする力があるのなら、自分の部屋もきれいに掃除してほしい」と思うはず(うちだけかな?)。
ま、そんなことができる力が備わっているのを確認できるのも、また素敵なことだと負け惜しみも言いながら、この先も応援していけたらいいなと思います。
団倉庫の片づけは第2ラウンドも行われます。