家にも来ないかな ~夜回り~

IMG_5493一昨日(16日)も昨夜も、カトリック成城教会を中心としたエリアで反射ベストを着た行列が目撃されています。
拍子木を打っては「火の用心!」と、辺りの様子に注意を払いながら防災を呼び掛けているのは、ボーイ隊(小学校高学年~中学生)とベンチャー隊(中学3年生~高校生年代)で、この活動は「夜回り」とよばれています。
クリスマスまでの約一週間、毎年12月に行なっている伝統行事で、かれこれもう40年の歴史があります。
近隣に注意を促しながら歩くことで実際に火災を防いだ年もあって、少しでも役に立てているならうれしいです。

すっかり暗くなった寒空の中を声を出しながら歩きだすスカウトたちは、もちろん夜回りの意味は良く理解して活動しているのですが、役割のほかにお楽しみもちゃんと用意されています。
近所の成城消防署の前を通れば必ず受付にいる消防隊員の方から「お‼ご苦労様です!」とねぎらいの言葉をかけていただくし、年のちかい先輩後輩がまぜこぜの班で歩くのも新鮮でうれしいのですが、実はルートの目的地(または途中)にリーダーの自宅が組み込まれているのがわくわくのもと。
自宅にいるリーダーの方は大変で、教会にいるボーイ隊リーダーから「今スカウトが向かいました」の連絡があると、「火の用心!」の声が聞こえる前にあたふたと自宅にあるお菓子をかき集め、うまく間に合えばのみものも準備して待機します。
うっかり間に合わなかったりすると、お目当てのリーダーが顔をのぞかせてくれるまでスカウトたちは動かないのでそれはもう大急ぎ。
しかも、それが今日来るのか?明日なのか?わからないので、ちょっと緊張する一週間でもあります。
リーダーにとっては「火の用心!」が「お菓子をくれなきゃ、いたずらしちゃうよ!?」に聞こえているのかも!
それでも、「いいなあ、うちにも来てほしいなあ。ちょっと教会からは遠すぎるから無理かなあ…」と残念がっているリーダーの方が多いくらい。

教会でスカウトを送り出した後のリーダーたちは何をしているのかって?
戻ってきたスカウトに出す課題を考え、温かい紅茶を用意しながら、集まったリーダー同士がおしゃべりに花を咲かせているそうです。
日曜日が仕事だったり、平日忙しく疲れすぎてしまい集会になかなか顔をだせなかったり、退団してしまったけれど懐かしくてちょっと顔をのぞかせたりと久しぶりの顔にも会えるのでリーダーたちにとっては楽しみな時間。近況のほかにスカウトの話、最近の団の様子など話は尽きずついついもりあがってしまうそう。
「スカウトのために何かできることを」と奉仕している指導者ですが、なかなかスカウトと会えなくてもこんなゆるいつながり方もあって、いつかどこかで後輩たちの役に立てたらいいなと思っています。

さて、今夜はどのエリアに「火の用心!」が響くかな?
今年の夜回りは22日が最終日です。