昨年11月12日夜から13日早朝にかけて開催された、世田谷地区ベンチャースカウト50㎞オーバーナイトハイクで見事2位入賞を果たしたタクミスカウト。
目下オーバーナイトハイクの直前まで練習を、そしてゴール後仮眠をとった後は試合へ向かうくらい部活が今一番やりたいことのナンバー1。
そのため11月13日に行われたセレモニーにも、また1月新年子どもまつりの会場で行われたボーイスカウト世田谷地区の全体朝礼にも出席できず、1位入賞の6団と同じくベンチャー隊リーダーが代わりに賞状やカップを預かっていました。
いつものようにスカウトミサと全体朝礼が行なわれる2月5日はようやくタクミスカウトが久しぶりに出席できたので、さっそく朝礼で後輩スカウトたちやリーダーの前で改めて賞状、記念の盾、カップを団委員長から手渡すことができました。
夜中に50㎞もの距離を、眠気と疲れと闘いながら走破するなんて、ビーバー隊スカウトやカブ隊スカウトから見たらまったく想像もできないけれど、ベンチャー隊を目前にしたボーイ隊の中学生スカウトにとっては、身近な先輩の声を聞ける絶好のチャンス。
リーダーから一言を求められ
「え~?なにを言えばいいんだ?うーん…」
尻込みしたのは一瞬で、すぐに後輩たちの前に立ち部活との両立しながらチャレンジした話をしてくれました。
そして、「何事もやってみればいい。みんなも、頑張ってみて」のエールに、健脚自慢のスカウトは心に火がついたに違いありません。
ひとつ違いの先輩後輩が兄弟のようにずらりと居並ぶ14団だからこそ、「ちょっと頑張れば自分にもできるかもしれない」という目標をいだくチャンスがいろんな時に巡ってきます。
タクミスカウトは小学生でカブ隊に入隊し、同じ学年の仲間と力を合わせていろいろなことにチャレンジしてきました。
小さなまとまりである組や班でリーダーシップをとりながら自分の好きなことを見つめたり、うまく進められないことにぶつかったり、理不尽な思いをしたこともありながら、キャンプを通して「何もしなければ始まらない」「何かするのは大変だけど、そのあとには爽快な気分が待っている」「ともにいる仲間と力を合わせることはおもしろい」といった感覚も確実に自分のものにしてきました。
どんなことも無駄にはならないし、それだけではなくて、一つ一つの経験こそ誰かと協調して生きていける自信となって今の彼を輝かせているのだとおもいます。
すぐに結果が現われるものではないけれど、ボーイスカウトを通して経験することやその時一緒に過ごした仲間の言葉や行動、年齢のちがう人たちの生きざまは、スカウト一人ひとりの心のどこかに残っていき、いつの日か自分の今や将来を考える時の指針となっていく。青少年の心を確実に、健全にはぐくんでいきます。