中学校も高校も、3年生になり受験モードに入ると「休隊」の道を選ぶスカウトがほとんど。
「日曜日の午前中くらい、せめてセレモニーだけでも出てこれるだろうに。特にその時間は勉強しているわけはないだろう。」
とは、すっかり大人になってしまったリーダーの考えること。
中高生にとっては一大事ですからね、気持ちがこちらに向かなくなるのは至極当然のことなので知らん顔をして春が来るのをじっと待っていましたが、昨日ようやく、久しぶりに顔を見せてくれた3人のスカウトがいました。
おかえりー!
みんなで待っていたよ。元気そうでうれしいな。
小さい頃は、「ボーイスカウトはいい運動だから」と保護者も一生懸命で、「今日は休みたい」とぐずぐずしていてもうまく連れ出して活動に参加させようと頑張るのですが、この年頃になってしまうとそんなことは全く通用せず、自分から「行こう」と考えるほかは復帰が難しくなってしまいがちです。
スカウトの活動そのものは、ワクワクドキドキ、おもしろい、楽しいと感じるように隊のリーダーたちがうまく仕掛けてもいるので魅力的には違いないのですが、ボーイスカウトのめざすものが「自分の力を高めつつ、周りの人のことも自分のこともたいせつにできる力を身につける」から参加するべきだとは、まだまだ考えられないのが正直なところ。
これまでの活動を通して、「みんなと一緒にいると楽しい」「去年のぼくより、うまくできることが増えた」といった喜びのほかに、キャンプなどではチームワークで動くために失敗の連続の後に「自分がどれだけみんなの役に立てたか」や「うまく進められる動きを、後輩にどんなふうにうまく伝えればよいか」をやっとの思いで見出したり、自分にはどうしようもない環境の中で一筋の光明に励まされる経験(雨にたたられたキャンプで、何日目かにさっと日が差した時のありがたさや力の湧いてくるような思いを味わうなど)をしているかはとっても重要。
そして、やはりリーダーとスカウトが、あるいはスカウト同士が共通の体験の中で、どれだけいい人間関係を結べて来たかもその後の選択を左右する大きな要素ですね。
あの人にまた会いたい、話したいと思える人との出会いをしていてくれたのなら、うれしいな。
好きな人も苦手な人もいるけれど、どの人たちともうまくつきあっていける自信や、複数の所属場所のスケジュールと自分の時間を調整する力、相手の話を聞き自分の意見もわかりやすく説明できる力なども慣れ親しんだこの環境を利用して磨いていけますように。これまで以上に広い世界に身を置いて生活は続いていくのだから、知識だけではなく人とのつながりの中でこそ味わえる経験も貪欲に求めていけますように。
ベンチャー隊へ、ローバー隊へ、上進しての活躍を大きに期待していますよ。