自分のことを自分で決める

ボーイスカウトを始めてみようかなと考えて、お住まい近くの団や気になる団にお問い合わせをしていただくと、そこからがボーイスカウト体験の始まり。
「ここ、好きだな」と感じられれば次の活動にも参加してみて、「本当にここで始めてみようかな」の気持ちが高まれば入団に向けての準備が始まります。

ボーイスカウトのめざすものは1年や2年参加したからと言って効果が表れるものではないので、ゆっくりじっくり成長を共に見守っていく中で「そういえば、引っ込み思案の子だったはずだけど、ずいぶん変わった」とか「自信をもって物事に取り組んでいる気がする」と感じられるのですが、同じ経験を積んできた先輩保護者の話を聞くのもまた興味深いことです。
スカウトは19年の年齢差のある先輩や後輩、そして同期のなかまの中でお互いの生き方や考え方をぶつけあったり学びあったりしながら自分の力を高めていける素晴らしい環境に出会えるのですが、保護者にとっても「ママ友」とは違う、年齢差のある人々と長い時間をかけて「ボーイスカウト」という共通の話題でつながりながら子育てをしていける、他ではなかなかない魅力的な環境もあります。

IMG_940412日の日曜日の午後。
ビーバー隊に入隊させたいと決意したお2人とお会いしました。
「ボーイスカウトってこんなところ」「14団はこんなところ」をお話した後は、お子さんのこと、子育てのこと、ボーイスカウトを通してどんな風に育ってもらいたいと考えているなどで盛り上がりました。
実はこの「知り合う」という時間を私たちはとてもたいせつにしているのですが、もう一つのお楽しみはお子さんと会うこと。
隊のリーダーたちとはすっかり打ち解けてはいるものの、初めて会うちょっと年を取ったおじさん・おばさんに会うと緊張してしまうお子さんもいるのですが、この日の2人は初めからニッコニコ。

好きなものはなあに?幼稚園の先生はなんていうお名前?などと質問をした後は
「ビーバースカウトに入りたい?」
仲よしの2人が「うん!」と返事をする前に後ろに座っていた副団委員長から悪魔のささやき…。
「一度はいったらやめられないよ」
ええ?どうする?どうしよう?と慌てて顔を見合わせて、やめる?やめようよ。でもやりたい。ぼくもやりたいと大急ぎで相談している顔は、もうなんとも言えず可愛くて、思わず笑っちゃいます。

始まりは自分で決める。
自分のことを自分で決める、初めの一歩です。

実はね、考えた末に一度離れてみて「ああ、なんて自分にはいい居場所だったのだろう」と改めてわかり、つい最近戻って来たスカウトもいます。
小さいころの決意が揺らぐことはよくある話。もうダメだなんてことはなくて、まちがっていたと気がつけばやり直せばいい。
別の道を歩みたいと思うなら、それもまた自分の心と向き合って考えた結果なら、自分の進むべき道を自分で決めていけばいい。
子どもも大人も一緒に取り組むボーイスカウトの運動は、どんな時にも指針となる「自分は誠実に生きているかな?「周りの人に親切で、礼儀正しいかな」を中心に据えている、いつでも、だれにでも始められる素晴らしい運動です。
人生を始めたばかりの子どもたちや青少年を見守り続けていけるのも、大きな魅力ある喜びです。