東京のいいところ再発見!の旅 ~BSラリー・14団編~

dscn2193紅葉が始まり、陽ざしがポカポカと心地よい11月6日。
世田谷地区内のボーイ隊合同行事「BSラリー」が開催されました。

前もって「読図法」で準備周到の14団ボーイ隊「カモシカ班」と「シェパード班」ももちろん張り切って参加しました。
このBSラリーは、毎年担当団のリーダーたちが知恵を絞って企画をしているのですが、今年の企画はめずらしく世田谷区内を飛び出して「東京のいいところ再発見!」をテーマに、電車を使ってあちこちの名所を巡り、訪れたポイントの数や時間を競うもの。
集合場所から9時きっかりに地図を片手に思い思いの方向に出発し、めざす名所を訪れ、16時までに本部のある赤堤教会(9団本部)に戻るのがこの日のミッションです。
そして、すべてのスカウト班にリーダーが一人以上付き添い、名所ポイントに到達した証拠にスカウトの集合写真を撮って、そのたびに本部にメール送信することになっていました。

でも、こういう集会にハプニングはつきもの。
20班以上が参加するため、集合場所は代々木公園・池袋西口公園・上野公園と3か所に分かれており、カモシカ班は代々木公園に、シェパード班は池袋西口公園にそれぞれ集まるはずだったのに、張り切りすぎたカモシカ班は代々木を素通りし、なんと上野公園に向かってしまった!
集合場所で配られるはずの名所のフォーカスポイントの一覧は、残念ながら手にすることができずじまい。
「しまった!やっちまったぜ!」
でも、そんなことにくじけるカモシカ班じゃないのがいいところ。何ごともなかったように、めざすチェックポイントを順番にクリアしていきました。
何より偉かったのは、カモシカ班引率を担当したローバースカウトですよ!
隊長から託された「スカウトの安全だけは確保してやってくれ。あとは道をまちがえようと失敗しようと、班長に任せて黙ってついていってくれ」とのミッションに忠実に従ったこと。
先輩が口を出すことはたやすいし、うまく進められれば何よりだけど、ここは自分たちの考えで行動することから学べる場。少年たちにとって、自分たちで決めたことにチャレンジすることは最高の冒険なので、たとえ失敗しても残念な気持ちを味わっても次には彼ら自身の力となるから。

引率リーダーはどちらの班もローバースカウトで、今年度はボーイ隊での奉仕を活動の柱にしている二人です。
この2人が本部に送ってくる写真がまたとってもよいアングルで、「せっかくだから、スカウトたちみんなをいい顔で撮ってやりたい」の思いがいっぱい。自然の中でのびのびと活動するのも楽しいものの、都会っ子にとっては身近な名所を訪れ、その位置と自宅の位置や距離を体感する絶好のチャンスでもあったようで、みんないい顔をしていますよね。bs1bs2bs3bs4

ハプニングは他団でも続出していて、
「いや、ついリーダーの方に力が入っちゃって、スカウトと一緒に楽しんじゃいました!」
「え?その都度連絡をするんだっけ?お昼にまとめて送信すればいいかと思ってた!心配をかけてごめん!」
「スカウトの勢いが強すぎて、写真を送信する時間も与えてもらえず…遅れてゴメンナサイ!」
などなど。
上野の不忍池近辺では送信中のリーダーが、見知らぬ方に「ここではそのゲームをしてはいけません」と叱られてしまったとか、せっかくの記念なんだからオモシロ写真を撮らないとね!と演出にこだわった団もあったりとさまざま。
名所ポイントで一緒になったリーダー同士は、情報交換をして笑い合い、世田谷地区の仲のよい、いい雰囲気がいっぱいです。
世田谷地区という、団よりもう一つ大きなくくりの中で年齢を問わず仲間の輪を広げていけるラリーは、スカウトはもちろん、リーダーも新しい友情を結べる楽しみがあります。

それぞれのコースを予定通り、あるいは大幅に変更しつつ、16時までに全員が帰着…するはずもなく、やっぱり2つの班がタイムアウトになってしまいました。その一つはもちろん14団。今度はシェパード班。
「ああ、そこ、曲がっちゃうの?うーん、仕方ない。さすがに時間が過ぎている。」
経堂周辺でうろうろしてしまった16時過ぎ、ローバースカウトが方向を指示して黄昏の赤堤教会に40分遅れで到着しました。
こういう判断も、「隊長の言った通り」ではなく、臨機応変に対応していくローバースカウト自身のよい体験にもなりました。

もちろん優勝を目指すラリーなのでとっても残念だったけれど、失敗は次に挽回できる最高のチャンス。
カモシカ班もシェパード班も、これからの成長を期待していますよ!

競争というゲームを楽しみながら、知らず知らずのうちにいろいろな気持ちを味わい、なかまと一緒に過ごす醍醐味も体験する。
ボーイスカウトの活動には、青少年の心を育てるエッセンスがいっぱい隠されています。