新年度、スタート!

新年度が始まって、初めての活動日。
真新しい制服に身を包んだ子たちが、緊張気味にやってくる。そしてひとつお兄さんになった子たちは、ちょっと得意そうでうれしそう。雨に濡れながら送りに来たママの一人が「上進するってとっても意味の大きいものだったみたいで、朝からとっても張り切っていたんですよ。」とこっそり教えてくれる。

朝が苦手でも今年からデンリーダーになったママをちゃんとエスコートしなくては!で、頑張って早起きし、一番乗りしたくまスカウト。
「今日はね、カブの活動が終わったらキャンプの打合せがあるんだよ。」
そっか!くまスカウトだけのキャンプが近いね。月の輪集会も楽しみだね。
「キャンプは家族で行ったこともあるから、大丈夫だと思う。」
そうだよ、大丈夫。きっと発見がいっぱいで楽しいよ。

スカウトミサでの歌やお祈りの言葉をスライドにし、進行に合わせて操作するのはベンチャースカウトの重要な任務。今日は新人くまスカウトたちが侍者の役割を果たせるようにサポートもした後、ロビーで隊会議。新人歓迎キャンプや50kmオーバーナイトハイクに向けて早速活動開始。

引っ越しで通えなくなるからって退団してしまうスカウトがやって来た。寂しいな。
「ちがうって。やめるのは一時だけ。部活も塾もあって今は忙しいから無理だけど、いろいろやったら絶対帰ってくるんだから!」
ボーイ隊・ベンチャー隊年代はやることがいっぱいで、確かに身体は一つしかないから大変なんだよね。でも、ママも気持ちを寄せてくれる方だもの、きっとまた会えるよね。いつでも帰っておいで。待ってるから…とみんなで送り出す。

雨なので、信徒会館2階をスカウトたちが使わせていただく。どこの隊でもスカウトたちは大はりきりだけど、それと同じくらいリーダーたちも新しい顔ぶれにフレッシュな気持ちで向き合っている。
ビーバーの集会が終わり、ローバースカウトでリーダーとして活動しているスカウトがへろへろで階段を下りてくる。
「ひどいっす。新人のやつら、激しすぎる。ずっとまとわりついてくるんっすよ。ああ、こんな雨の中帰る元気もない。疲れたぁ!」と外を見ながらため息をついている。でも、顔はニコニコで後輩たちをとっても可愛く思っているのは一目瞭然。そして、初めてのボーイの活動が解散になって無言で降りてきた一年目を見つけるとにやっと笑って近寄って行く。
「おお、どうだった?ボーイはそんなにきつかった?」
甘え上手の一年目スカウトが弱々しそうに「うん…」といって兄貴分にしなだれかかるのを受け止めて
「最初はきついよな。わかるよ。みんなそうなんだ。でも、おまえ、絶対やめるなよ。な?やめないで続けろ。いいことあっから。」
なんて、かっこいいことを言っている。直接一緒に過ごしたことがなくても、今かけてもらいたい言葉がわかっているんだよね。優しいね。

P1120774ボーイ隊が解散した後の集会室では、2級挑戦を終えた3人のスカウトを団委員長が面接している。
何を聞かれるんだろう!?とドキドキしながら迎えたけど、自分で取り組んできたことだから自信をもって答えられる。スカウトハンドブックの項目に沿って「家族旅行の計画を立てる時、一人ひとりのスケジュールを調整するのが難しかった。」とか「一人では絶対にできない大型構築物ができたのは、仲間がいてくれたから。」とかを「体験」することで「学び」、そしてたくさんのことを感じている。そうしたことを自分の言葉で語れるって素敵なこと。そして、きっとそうしながら心の中が整理されていく。
スカウトと接することがなかなかかなわない団委員長には、一人ひとりが成長していることが実感された至福の時。みんな、知らないうちにいいことをしたね。付き添った隊長も、そんなキミたちがとっても誇らしかったんだって。

素敵なエネルギーをいっぱい、ありがとう。