仲間の中で ~マラソン大会~

冷たい風が強く吹き荒れる2月1日。
電車で、または自転車で多摩川の土手に到着した14団スカウトたち。
隊ごとにこれから走るコースや注意事項をリーダーから聞き、マラソンに臨みます。

もちろん一番に走る準備が整ったのはボーイ隊です。
ボーイ隊は…ちょっと大変なコース。五本松を出発して北に向かい、京王線の高架をくぐってようやく見えてくる多摩川原橋を渡ります。すぐに左に折れて多摩川沿線道路を南下。実はこの間には橋がないため、延々走り続けて多摩川指導橋までたどり着かないといけない過酷なコース。一度参加したらもう後には引けないのです。
途中で走り続けられなくて歩いたり、ちょっと休憩を入れて少なくとも1時間半は戻ってこないスカウトが大半だったのですが…昨年は何と健脚班長が52分という驚くべき新記録を出しました。

IMG_1620さて、暖かい陽の当たるところでビーバー隊が輪になって準備体操開始。
一緒に参加してくださったスカウトのパパの音頭での体操は、みんなとっても楽しそうパパももちろん楽しそう。
「おれが絶対一位だもんね。準備体操だって、もうここで始めちゃう」
と、教会を出る前から大はりきりだったスカウトは、ライバルのスカウトともちろんトップ争いです。団の中では一番短い距離だけど、「よーい!」の声を真剣な顔で聞き一斉に走り出します。ほっぺを真っ赤にして一生懸命走った後は、いつものように段ボールすべりで大はしゃぎ。

土手を南に向かって走り出したのはカブスカウトたち。学年ごとに3回レースが行われました。
うさぎレースでダントツ一位となったスカウトは、カブ隊に上進するのをとても楽しみにしていました。
「ビーバーの時より距離が長かった。疲れた~。」
と言いながら、それでもまだ走れそうな余裕を見せてニコニコ顔。
IMG_1627この日カブスカウトたちが手にしていたのは撮りっきりカメラ。10月の活動からスカウトやリーダーの写真を撮りためていて、「ぼくの一番」を選び22日にカブ隊内でコンテストを行うのです。それはそのまま日本連盟のコンテストにも応募するので、リーダーも保護者も「この写真の方がいいんじゃない?」と言いたいのをぐっとこらえ、スカウト自らの感性で選んだお茶目な写真がずらりと並ぶ、とても楽しいプログラムです。
「よーい、スタート!」
走り出すしかスカウトを狙って、あちこちからシャッターの音が聞こえます。
このレースには、記録保持者の健脚ベンチャースカウトが参戦。
「こんな距離は軽いよな。物足りないよな」
などとリーダーたちのからかい声を背に走りだしたのですが、後輩たちの猛烈なスタートダッシュにすっかりペースを崩されてしまったらしく…
「うう、あんなに喰いついてこられるなんて。あいつら、スゲー」
ちょっとくやしい思いをしたみたい。気がつけば、しっかり用意してきた「走りやすい格好」に着替えくまレースに参戦、自分らしい走りをくまスカウトに見せつけてくれました。

IMG_1674お昼の楽しみは、持ってきたおにぎりと、ベンチャースカウトと団委員長が作ってくれた美味しい豚汁。さっきから白い湯気をあげ、サトイモやゴボウやニンジンがぐつぐつ煮えています。
早朝から働いたベンチャースカウトたちもリーダーたちに混じって味見。ちょっと居心地の悪いような大人の仲間入りをしたような変な気持ち。かつては見上げて憧れていたリーダーと同じくらいの身長になって、これからの活動や進級の話をしたりするなんて夢みたいです。
「ボーイが帰って来たぞ!」
え?もう?誰だ?と言いながらリーダーたちが迎えに走っていく。
なんと1時間と48秒でのゴール!昨年に続く大記録を出した班長は、実はカブ時代は身体の弱い気の優しい穏やかそのもののスカウト。ボーイ隊での活動は厳しいかもしれないと、周りはこっそり心配していたのだけど、なんというたくましい成長ぶりでしょう。
そして、すぐ続いて次長も到着!
5年生になっての入団で、カブ隊は数か月しか経験していないスカウトだけど、「ぼくはボーイスカウトがすき」と自分の意思で決めて仲間入りした強さは並大抵のものじゃない。あっという間に仲間に溶け込み、その一生懸命さで誰からも信頼されている。
「おまえたち、すげーな!」
たくさんのリーダーたちから荒っぽい祝福の言葉をもらうのだけど…ニッコリ笑顔なんてとても見せたくないお年頃。
涼しい顔を装って、しばらく待っても戻ってこない班員の様子を見に、揃って自転車で迎えに出ていく、かっこいいグリーンバーに成長中。

毎年の恒例団行事のステキなところは、一人ひとりの成長がよくわかるところ。
スカウト自身も「去年のぼくよりできるようになっている」と感じられるところ。
そして、先輩を、後輩をそばに感じながら活動できるところ。
たくさんの仲間がいるって、本当に素晴らしい。

そうそう、14団の面々にはとても愛着のあるこの場所を「五本松」と呼んでいるのですが…どうも地図を確認すると調布市にある「五本松公園」以外に五本松の表示はないみたい。
ビーバースカウトのご家族が後から参加しようとして大いに迷ってしまったとのこと。本当にごめんなさい!