たくさんのエール

ボーイスカウトの進級システムでは、ボーイ隊は初級から始まり、ハイキングやキャンプを経験し、課題に取り組んでクリアしては2級章・1級章と進んでいきます。
ボーイ隊でチャレンジできる最高の章が菊章で、クリアするべき課題の数だけでなく、あらゆる分野での経験と仲間から認めてもらうことも必要なので、いつでも誰でもが手にできる章とは言えません。
章をとること自体は目的にならないけれど、一つの目標を定めて頑張っていく機会を自分に課していくことはとても大事なこと。
新たな自分を発見したり、知らない世界に興味を持つようになるなど、たくさんのことを得ることができます。

さて、ボーイ隊4年目で班長スカウトの菊章団面接が9月2日に行なわれました。
分厚いスカウトハンドブックに載っているそれぞれの章への課題を一つ一つクリアし、途中であきらめず継続してきたことは、本当に根気のいる、素晴らしいことです。
14団アドバイザーの菅野団担当コミはもちろん、ボーイ隊隊長とスカウトのお母さんも列席して、団の代表たちが地区での面接の予行演習にもなるようにと企画しました。

団面接を無事に終え、今度はいよいよ本番。
20日夜弦巻区民センターで行われた菊章地区面接です。
14団団委員長とボーイ隊隊長はもちろん一緒にいたのですが、部屋に入り、バッジのたくさんついた制服を着て難しい顔の(ように見えた)10人もの知らない人の前に立ったとしたら…
誰だって上がってしまいますよね。
それでも、前回アドバイスをいただいたところはちゃんとクリアし、いつもの自分らしくまっすぐ前を向いて一つ一つの質問に丁寧に答えることができたとのこと。本当によく頑張りました!

もちろん、みなさんはいじわるな人たちなんかじゃありません。
全員が世田谷地区内の団で活動しているリーダーたちで、世田谷のスカウト一人ひとりをたいせつに思い、よい環境を整えようと努力している人たち。
つい所属している隊や団の中だけでものを考えてしまいがちだけど、実は14団も世田谷地区の仲間に見守られ、支えられているのですね。
緊張した面接ではあったものの、たくさんの笑顔とあたたかい気持ちも一緒にいただいてきました。

さて、いよいよ菊章伝達式。
3人のコミッショナーと進歩委員会の方が駆けつけてくださいます。
14団のみんなで、一緒にお祝いしましょうね!

新しい冒険の始まり

9月24日は14団の年度替わりの日。
各隊で最高学年のスカウトが一つ先の隊に上進する、けじめの式が行われます。

上進するスカウトたちは、すっかり小さくなってしまった制服から真新しい、ちょっと大きめの制服に身を包んでやってきます。
どの顔もやや緊張した、でも誇らしそうな表情を浮かべていて、教会中に元気がみなぎるよう。

すっかり頼りにしていた先輩を送り出し最高学年に進むスカウトたちも、うれしさの混じった、意気込みの感じられる表情でやってきます。「よし!今度は自分の番だ!」と顔に書いてあるみたい。
これまで新入りで一年目だったスカウトにも、いよいよ後輩ができるので、これまでのように気楽にはしていられませんね。
一人ひとりのスカウトが、新しい一年を迎える日。

これまでよりも、もっと楽しい時間を。
なんでも用意してもらって楽しんできた時代から、少しずつ「自分も楽しい。周りの人も楽しめるように」と考えられる人に。

今よりも、もっとかっこいい自分探しの冒険を。
一緒に過ごす仲間の顔ぶれが少し変わったということは、共に成長し刺激し合える仲間がまた増えたということ。
自分の周りの小さな世界から一歩踏み出して、自分の心も力も伸ばしていける人に。

カブ隊の「やくそく」、ボーイ隊の「ちかい」を聞きながら、「おきて」の言葉を改めてかみしめよう。

ボーイ隊のキャンプでは

8月27日の結団記念式典の一連の行事の中で、「夏の行事・キャンプ報告会」が行われました。
14団の保護者、リーダーだけでなく、ガールスカウト東京都58団のみなさんも見学してくださって、本当ににぎやかなひととき。
あんなに大勢の人たちの前で何かを話すなんて、きっと本当にドキドキしたはず!
前を向いてはきはき発表できたスカウトもいるし、ちょっと小さな声になってしまったり、はずかしくて下を向いてしまったスカウトもいたり、でもそんなことは何にも問題ではありません。
「おとなしい」「のんびり」「自分を表現するのがあまり得意ではない」のイメージの強かったスカウトが、ずっとそのままか?というと、何がきっかけかはわからないけれどキャンプファイヤーを取り仕切って大きな声でリードをとる存在になっていた…などというのはよくある話。
一人ひとりが、それぞれのペースでいいから自分の中に力をためて、生き生きと歩んでいける、何かの助けにボーイスカウトの活動がなっていたらいいなと思います。

 

 

 

 

 

さて、今年の夏のボーイ隊キャンプ。
世田谷10団と同じ本栖湖村営キャンプ場に4泊5日のスケジュールで出かけてきました。
このキャンプ場は近隣の団にもとても人気があるようで、近くには世田谷25団が、ちょっと離れたところには世田谷7団が同じ時期にキャンプ中。
隊長とローバースカウト年代の3名とで臨んだ14団だったけれど、ベンチャー隊隊長が一泊訪問してくれたほかにも同じ世田谷地区での顔見知りの年配リーダーたちが、さりげなく手を貸してくださったとか。ありがたいことですね☆

カブ隊もそうでしたが、設営とか朝礼とか食事の用意とか、なんとなく気になる存在がいてちょっとライバル意識を持っちゃうのは合同キャンプならでは。
最終日のキャンプファイヤーでの寸劇準備のグループミーティングを織り交ぜながら、本栖湖一周ハイキングに10団と14団が右と左に分かれて出発し、湖のちょうど反対側ですれ違うとか、料理が得意な10団のリーダーに一緒に丸鶏のさばき方を習っていろいろな料理を作ってコンテストにしてみたりとか、おもしろさの幅も広がったようです。

いつもそうだけど、このメンバーでのキャンプは大抵この時限り。
満たされた生活空間から離れ、日々の暮らしも自分たちで整えながらの活動は、友だちのありがたさを感じたり、自分が去年よりもっとできるようになったと感じたり、また自然のありがたみを身近に感じられる心豊かな体験です。
一人ひとりの性格やものの考え方や、その成長ぶりをお互いに見つけやすい時間を共にしたからこそ、大人になったのちも「あの時のキャンプは」と懐かしく話が弾むのかもしれませんね。

よい時間・なかま・感動。
もっともっとたくさんの子どもたちにも味わってもらえるといいな。

リーダーの心は

山の日。
高速道路は帰省ラッシュと夏休み、お盆休みで大渋滞。
ボーイ隊は夏のキャンプに電車で出発しました。
行く先は本栖湖村営キャンプ場で、今年は10団ボーイ隊との初めての合同キャンプに臨みます。
もちろん自分たちに必要な荷物は分け合って持っていくものの、大きなものは先行した隊長が自家用車で一昨日の夜運搬済み。
この春のキャンプは思いがけない大雪に見舞われたボーイ隊ですが、夏も本栖湖の自然の中で仲間と5日間過ごす中で協力する体験を重ね、感謝や自然の力への畏怖の気持ちを味わって来てもらいたいなと思います。

キャンプ地で生活を共にすることは、普段の活動以上にスカウト一人ひとりにたくさんの気づきと感動の心、いざという時に対応できる工夫や知恵が育つ絶好の機会なのですが、そういうことをどれだけたくさん味わう機会をスカウトにあげられたかを、リーダーが試されるのがベンチャー隊といえるかもしれません。
高校生年代の彼らには、直接リーダーたちが手を貸すことはしません。
「かわいい子には旅をさせろ」の心境で送りだし、ハラハラしながら(そんな様子はつゆほども見せないけど)帰りを待つことになります。それはもう、保護者とまったく同じように心配もし無事を願って過ごします。

今日はベンチャースカウトが2名のバディーで、移動キャンプに出発しました。
誰にもおぼえがあるように、初めてのチャレンジはいつもわくわくで、ドキッとすることや困ったことに遭遇するほど自分の中に力が湧いてきます。
もちろん、安全にちゃんと戻ってくることは大前提ですが、それをあまりにも心配しすぎないことが大切。
その為にこそ、ビーバースカウトの頃からちょっとずつ積み重ねてきた体験や身につけてきた力が、スカウトを守るのだなあと思います。

素敵な日々になりますように。

三連休は、もちろんキャンプ!

週末に迫った海の日の三連休は、村営山中湖キャンプ場でカブ隊くまキャンプがおこなわれます。
同じ日程でボーイ隊一級挑戦キャンプ、同時にグリーンバー訓練キャンプも予定されているので、くまスカウトにとっては憧れの先輩たちと一緒に過ごせるお楽しみつきです。

なんといっても、6月25日にボーイ隊体験を終えた後のくまスカウトは、すっかりボーイ隊のとりこです。
スカウトだけでカルボナーラスパゲティーを教会の中庭で作って食べるなんて、手厚く守られているカブ隊から見ると、大人っぽさ満点。
解散した後も大満足の笑顔で「楽しかった!」と話していたので、きっとこの三連休も中学生の先輩たちをたくさん観察して、いっぱい得るものがあることでしょう。

今年ボーイ隊4年目の中学3年生のうち班長次長が取り組むグリーンバー訓練には、部活で忙しくしている仲間が久しぶりに参加!
ビーバースカウト、カブスカウトの頃からなんとなく一緒にいるのが当たり前になっているメンバーなので、お互いの弱いところも強みも肌で分かっていて、「気が合う」とか「好き」といった感覚以上の安心感があるのかもしれませんね。

カブ隊・ボーイ隊合同のリーダーサイトには日帰り、一泊参加といろんな隊のリーダーが集まるようです。
スカウトの様子を横目で見るのももちろんだけど、今後のことを考えるミーティングも予定されています。
とはいっても、何より自然を満喫しながらキャンプサイトに身を置きたいキャンプ好きのリーダーたちの、ちょっとした憩いのひとときになるといいな。、

次のステップへ

毎回の活動を楽しんでいる時にはあまり気にならないのだけど…
節目の年には、ちょっと先の自分の未来を考えるチャンスが巡ってくるのもボーイスカウトの素敵なところです。

「小さいビーバースカウト」と言われることも手をつないで大きな輪を作ることにもちょっと抵抗を感じられる頃、カブ隊体験プログラムは小学校2年生のビッグビーバーにとってはびっくりの連続です。
久しぶりに会う先輩たちはすっかりカブスカウトになりきっていて、自分の知らない集合の仕方やリーダーや組長からの指示を聞いている姿はなんだかちょっと眩しい感じ。
帽子取りとかじゃんけんゲームなど、組対抗で競い合うゲームはとっても楽しいし、何より5年生のスカウトが前に立ってリーダーシップをとる様子にすっかり憧れてしまいます。
今年のビッグビーバーたちも、6月25日にカブ隊のアクティブな雰囲気にすっかりとりこになってしまったようです。

一方、カブ隊の最高学年くまスカウトは「もう、ホントやんちゃな後輩たちをまとめるのは大変だよ」という悩みも持ち始めています。
カブ隊に上進した時は全てが珍しく、楽しくわくわくしてきた活動のあれこれがどこか子どもっぽく感じられ、「もっと大人っぽいことがしてみたい」という気持ちもわいてくるころです。
7月2日のボーイ隊体験に参加してみると、自分が一番小さくて、見上げるような中学3年生のお兄さんが(しかも声変わりもしているし!)くだけた様子で近づいてきてぱっぱと指示を出していくことに軽いカルチャーショック。
去年まで一緒にカブ隊で仲よくしていた先輩たちは、そんなことは当たり前といったふうにてきぱき動くのを見てさらに圧倒される思いです。
教会の中庭で火をおこし、昼食を作って食べることがこんなに手間がかかって大変なこと、なにやら男っぽくてかっこいい雰囲気を目の当たりにして、自分もここでみんなと一緒に頑張ってみたい!という気持ちになったそうです。

ボーイ隊をまとめている班長クラスは中学3年生で、受験組もいれば一貫校で部活にまい進しているスカウトもいるので、それぞれの都合に合わせ、ベンチャー隊リーダーとの面談がこれからおこなわれるはずです。
これまで見つめてきた自分や周りのことをもう少し深く考えたり、持っている夢や生き方を具体化できるよう先輩やリーダーと話し合ったり、その足掛かりになるような活動を企画してみたりと、何かを始めれば必ず得られるものがある、ゆるやかだけど一番楽しいベンチャー隊の一員となるのも、すでに一人ひとりに合わせて行われていきます。
進んだ学校や選んだ道によって、それぞれに体験するものが大きく変わっていくこの年代では、お互いの体験を分かち合えるのが素晴らしいところ。人として、どう生きていくかを考得ていくきっかけを、いくらでも作ることができます。

小さなスカウトが少しずつ成長し、できること、知っていることが増えていく姿は本当に感動的です。
よい仲間に恵まれると同時に、自分自身もやくそくときまり、やくそくとさだめ、そしてちかいとおきてを胸に、周りにとってよい仲間でいられますように。
それぞれの家庭で、学校で、そして地域であたたかく育まれていけますように。

14団東西対決!真夜中の合戦 ~オーバーナイトハイク~

急に気温が上昇した6月10日。
ボーイスカウト世田谷14団ボーイ隊・ベンチャー隊と、同じカトリック成城教会で活動しているガールスカウト東京58団ジュニア・シニアが年に一度の合同夜間ハイキングにチャレンジしました。

14団の伝統で、ローバースカウトが後輩のプログラムを企画していて、毎年ちがうコース、違うテーマで繰り広げられるハイキングなのですが、今年は横浜市神奈川区にある入江町公園から鶴見区、川崎区、大田区を通り、駒沢公園を最後のチェックポイントとして成城教会に戻ってくる35㎞のコース。しかもこの一部区間をカモシカ班とシェパード班が別ルートを通って次のチェックポイントをめざす、おもしろいものに仕上がってきました。

班長クラスになると「だいたいこんな感じ」と体験からわかってきているし、体力もついてきているのではた目には楽勝の様子。(しかも後輩にはつらそうな顔を見せるわけにはいかないですからね!)
でも、カブスカウト隊から上進して来てようやくボーイスカウト隊での活動にも慣れてきたばかりの6年生には、夜中じゅう起きていることも、差し入れの豚汁を真夜中に味わうことも、白々と明けてきた駒沢公園の景色を見ることも、何もかも初めての体験。
足が痛いのか、荷物が重くて肩が痛いのか、眠くて頭がぼんやりしていて、何がつらいのかわからないけれど、ちょっと涙ぐみながら先輩の後ろをひたすら歩くことは、かなり過酷なハイキングに違いありません。

もう来年は参加しない!と心に決めていても、やっぱり6月が近づいてくると「去年はこれが足りなくて困ったな」とか「誰かがしていた準備を、今年は自分もしてみよう」などといつの間にか気持ちが傾いていくのが不思議です。
普段聞けない話、一度聞いてみたいと思っていたことのほか、夜通し一緒に歩く中で時には自分にとってヒントとなる言葉や考え方を耳にすることや、困った時、つらい時仲間の存在がどれだけありがたく胸にしみるものかを感じること、そして去年の自分より確実に成長している実感も、オーバーナイトハイクならではの魅力かもしれません。

スカウトにとって、その年代で味わえるたった一度の貴重な機会を、ぜひ背中を押してあげてもらいたい。
日々忙しく過ごす子どもたちの非日常の体験には、いつかどこかで自らを支える自信を育む力があるのは確かなこと。

ローバースカウトからは、25日夕方に振り返りの会を設けたいとの連絡が届きました。
これまでの伝統は大切だけど、そのことに執着せず、今のスカウトにとって必要なこと、参加しやすい方法をリーダーたちとともに語り合う時間になるといいな。未来はかえられるから。

復活祭

4月16日は復活祭でした。
一般には「イースター」でだいぶ浸透してきましたが、キリスト教の教会においては特別な日。
ボーイスカウトもガールスカウトそして教会学校の子ども達と合同でミサに与りました。
このミサの中では教会学校に通う女の子一人が洗礼を受けました。
普段見ることの無い洗礼の儀式、スカウト達はとっても興味深そうに見守っていました。
ミサが終わるとお御堂の出口のところでガールスカウトの手により、参列者ひとりひとり(大人も子どもも関係なく)にお菓子が配られました。
例年ですと卵(ゆで卵に飾り付けしたもの)を配っていたのですが、今年はお菓子になりました。
お菓子に代わっても準備は大変。前日の土曜日に何人ものリーダーや教会関係者が集まって袋詰めをして用意したそうです。
その中には団委員長もいたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミサの後は小学生以下のスカウト達お楽しみのエッグハンティング。場所は教会の近くの公園です。
ただ探すのではなく、ボーイスカウト、ガールスカウト、教会学校の子ども達総勢50人あまりをシャッフルして4チームを作り、チーム毎に全員が探し出す時間を競うチームワークを競うゲーム性ももたせてあります。
卵は予めボーイ隊が隠しに行きました。
探すのは一人2個づつ。1個は自分のため、そしてもう1個は親でも、兄弟でも、友達でもいいから日頃の感謝を込めてプレゼントするために探しました。
無事みんな2個づつ探すことが出来、笑顔がいっぱいでした。
エッグハンティングの前には復活祭がどういうものなのか、教会学校のリーダーが手作りの紙芝居でお話してくれました。
教会に集う子ども達がその所属する団体を超えて合同でする活動。何年も続けてきた成果が出始め、最近ではお互いに打ち解けるのが早くなっています。
神父様もこのことは非常に喜んでいらっしゃいます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、カブ隊やビーバー隊がエッグハンティングを楽しんでいる頃、ボーイ隊、ベンチャー隊は春キャンプの後始末。
教会の庭中にテントや備品を広げ乾燥と片付けです。
とんでもない大雪に見舞われたキャンプ。テントのポールなどは見るも無惨なものです。
ボーイ隊長の話によると、大雪でテントがつぶれ寒さの中落ち込むスカウトもいれば、異常にテンションが上がり雪合戦をしだすスカウトもいたとか。
いづれにせよ、滅多に無いキャンプとなり、スカウト達はまたひとつ逞しくなったことと思います。
夕方前には全ての片付けが終わり、キャンプそのものは3日間ですが、全体では長い春キャンプがやっと終了しました。
お疲れ様でした。
あ、スカウトは報告書、書いたのかな。

 

 

 

 

 

 

 
(TT記)

思いがけず雪中キャンプ その後

キャンプ場に向かう蓑毛という場所から一歩山に向かうと、そこはいきなり雪国…
スタッドレスタイヤでもキャンプ場まではとても行けないくらいの深い雪で、しかも雪の重みでテント全壊となってしまっては、これはもう安全第一ということで、ボーイ隊とベンチャー隊は、今朝すぐにキャンプを中止し下山する決定をしたとリーダー一斉メールが回りました。
キャンプ場のオーナーの配慮で、屋根のあるところに泊まらせてもらっていたものの、火をたくこともできず
「朝ご飯はビスケット。お昼ごはんは差し入れていただいたカップヌードル」を食べて、荷物は置いたまま雪道を下山してくるということだったので、東京にいる、今日は自由に動けるリーダーが教会で温かい食事を用意することにしました。

今日は栃木で高校生の登山グループが雪崩に巻き込まれるというニュースもあり、とても痛ましいことでしたが、自然の力には逆らえず、危険とはいつも隣り合わせでいることをしみじみと感じる天候でした。
スカウトはリーダーの不安や心配をよそに、雪と戯れている場面もありましたが、はやり寒くてつらく、一日早い帰京にホッとした様子でした。
なんといっても「重い荷物を置いていってもよい」の指令ににっこり。
そして、下山中オーナーの車でピストン輸送してもらえることになって、さらににっこり。
蓑毛には車でリーダーが出迎えてくれて、本当にうれしかったことでしょう。
教会に15時40分頃到着した時には、家の用事で参加できなかった班長や雪のため入山できなかったベンチャースカウトもすでに待っていて、寒さで真っ赤な頬っぺたをした仲間を出迎え、夕食には少し早いおにぎりや豚汁、だいすきな唐揚げに大喜びでした。

月曜日なので自由に動けるリーダーはとても少なかったものの、この非常事態にそれでもちょっとの時間をやりくりして食事の準備を手伝ったり、せめて甘いものの差し入れを持ってきたりとなんだかんだで集まったリーダーや早めにお迎えに来た保護者とで10人ほどでにぎやかに出迎えることができて、本当によかった。
そして、いつもはちょっと反抗期だったり当たり前に思っているお母さんのお迎えや、神父さまのやわらかなねぎらいの言葉に素直に心から「ありがとう」の気持ちをあらわせた解散のセレモニーは、大雪からの贈り物だったかもしれません。

薪のにおいプンプンで自宅に帰り、まずはあたたかいお風呂。
そして、もしかしたらもうとっくに夢の中かもしれませんね。
さて、来週の日曜日は片づけですよ。
キャンプに参加できるのは素晴らしいことだけど、最後まで片づけてこそ。
みんなで力を合わせ、頑張ろうね!

おもいがけず雪中キャンプ中!

桜の開花宣言があったばかりというのに、東京も真冬に戻った寒さですね。
学校の春休みに合わせカブ隊は24日から2泊3日の春舎営!甲府の愛宕山で元気に過ごしてきました。

そしてボーイ隊とベンチャー隊。
25日から待ちに待った丹沢でのキャンプに出かけたものの、無常に降り積もる雪に昨夜はスカウトテントが全壊してしまい、屋根のある場所に移動して就寝したそうです。帰京するのは明日の予定ですが、ここまで降るとは予想もしなかったこともあり、リーダーたちは注意深くスカウトを見守り善後策をたてながら過ごしています

ボーイ隊以上のキャンプでは、何もかも自分の力で始めないと、食事も身の回りの片づけも、もちろん課題も進んでいかないことを容赦なく体験していきます。
カブスカウト時代、保護者役のデンリーダーがいつもそばにいてくれてこっそり手伝ってもらったり励ましてもらったのが遠い夢のできごとのよう。
まずは自分のことはできて当たり前で、3歳上の班長のもとで班の一員として自分のできることを見つけ率先して動かざるをえない機会が次々にやってきます。
特に1年目2年目のスカウトはまだ体も小さくて苦しさと悲しさと情けなさで思わず泣いてしまう。

保護者にとっては、そんな過酷な状況はまだ小学生なのにと本当にかわいそうです。
そんなことまでさせなくても…という思いが頭をよぎるのもあたりまえですよね。
でも、そこはぐっと我慢。
スカウトも踏ん張って我慢しているのと同じ、保護者も黙って見守るのです。
「いざという時思いがけず力が出せる」
「1つでも多くの経験から、全体を見ることができる」
「ともだちの存在に自然に感謝できる」
「つらいこともいやなことも、必ず終わりが来ると知っている」
こんな力を身につける大きな一歩と信じて、知らん顔でいましょう。

試練を乗り越えて戻って来たスカウトたちは、疲れてはいても自信を持った存在。
しかも、自宅のありがたみを心底味わっているので屋根があり、壁があり、ごはんが出てくることだって感動できる人になっています。
手の中で可愛がって育ててきた我が子の、思わぬ力強さやすばらしさを発見できる日もそう遠くはありません。

荷物も本人もドロドロできたないのは本当。
あ、あ!玄関ですべてを脱いでふろ場に直行してね!と明るく迎え、お風呂と食事、ゆっくり眠れる時間を用意しておいてあげることが、きっと一番うれしいことですよ。
キスリングの中にどんなものが入っているか…こっそり保護者同士で笑い話にできたらいいですね。